Serenite

コラム

2026-09-09 13:05:00

頭痛と自律神経──鍼通電がLF/HF比を整えた症例

Sérénité ACUPUNCTURE SALON · GOTANDA / MEGURO

COLUMN & RESEARCH ── HEADACHE & AUTONOMIC NERVE

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頭痛と自律神経
LF/HF比が示した、鍼灸のもうひとつの働き

Headache, Autonomic Balance, and What Acupuncture Regulates

片頭痛や緊張型頭痛は、日本人のおよそ4割が経験するといわれるほど身近な症状です。2021年に発表された頭痛の診療ガイドラインでは、鍼灸治療は薬物療法と並ぶ非薬物的治療のひとつとして位置づけられており、特に慢性的な頭痛や、薬の使いすぎがかえって頭痛を招く「薬物使用過多による頭痛(MOH)」では、薬に頼りきらない選択肢として注目されています。2025年に発表された臨床報告は、頭痛と自律神経のつながりに、ひとつの具体的な手がかりを示しました。

研究の概要──痛みと自律神経を同時に診る

2025年 現代鍼灸学 掲載

片頭痛のある38歳女性を対象に、側頭筋部への100Hzインターミット通電を実施。施術前後で、自律神経のバランスを示す指標のひとつであるLF/HF比と、痛みの変化を確認しました。

出典:菊池友和「頭痛と自律神経機能に対する鍼灸治療の臨床的検討」現代鍼灸学 25巻1号, 2025年, p.33-37

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片頭痛には、自律神経の「振れ幅」が関わっている可能性がある

片頭痛の発作時には交感神経(がんばる神経)の活動が高まり、発作の合間には逆に活動が低下する、という報告があります。こうした自律神経の振れ幅の大きさが、頭痛の起こりやすさに一因として関わっている可能性が指摘されていますが、発作時と間欠期の変化の方向性は研究によって異なる報告もあり、単一のメカニズムとして確立されているわけではありません。

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側頭部への鍼通電で、LF/HF比の低下と痛みの軽減が確認された

この症例では、側頭筋部への鍼通電によって、自律神経の指標が交感神経優位から落ち着く方向へ変化し、同時に痛みの軽減がみられました。

低下

LF/HF比

交感神経の優位性を示す指標。施術後に低下し、自律神経のバランスが整う方向へ変化した。

軽減

頭痛の強さ

自律神経の変化とあわせて、痛みそのものの軽減も確認された。

03

薬物療法と並ぶ選択肢として、研究の蓄積が進んでいる

コクランレビューや近年の比較試験でも、鍼治療は片頭痛に対して薬物療法と同程度、あるいはそれ以上の効果を示し、副作用が少ないことが報告されています。心拍変動解析や脳機能画像を組み合わせた研究が今後さらに進むことで、鍼灸が自律神経に働きかける仕組みは、より詳しく解明されていくと期待されています。

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CLINICAL INSIGHT — セレニテからの視点

当院にお越しになる頭痛のご相談の多くは、「痛む場所」だけの問題ではなく、緊張状態が続いた末に自律神経のバランスが崩れているケースです。忙しさが続くと交感神経が優位な状態が固定化し、そこから抜け出せないまま頭痛を繰り返してしまう方も少なくありません。

「薬をやめて鍼灸に置き換える」ということではなく、頭痛が起こる背景にある自律神経の状態そのものに目を向け、体質的なケアの選択肢を増やすこと。それが、この研究が示す最も実践的な意味だと考えています。

痛みが出てから鍼や薬で対処するのではなく、自律神経のバランスを日頃から整え、そもそも痛みが出にくい状態へと体を近づけていく。そうした予防的な視点こそが、頭痛と長く付き合っていくうえで大切になると考えています。

※ご紹介した症例は1名の臨床報告であり、大規模な統計的検証ではありません。効果には個人差があります。

鍼灸Serenite(セレニテ)では、頭痛や首肩のこり、眼精疲労といったお悩みに対し、自律神経の状態を含めてお身体全体を診ながら、おひとりおひとりに合わせた施術をご提案しています。慢性的な頭痛でお悩みの方は、一度ご相談ください。

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参照:菊池友和「頭痛と自律神経機能に対する鍼灸治療の臨床的検討」現代鍼灸学 25巻1号, 2025年, p.33-37
本コラムは上記論文の内容を参考に、鍼灸サロンSereniteの視点から編集・加筆したものです。医療行為に関するご相談は専門家にお問い合わせください。